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相続にかかる税金「相続税」はいくら?基礎知識や注意点・節税方法まで

query_builder 2024/03/07
コラム
相続 税金

相続をした際には、「相続税」がかかります。しかし、相続税がかかることは知っているけれどいくらかかるのか、相続税はどのように課されるのかなど詳しくは知らないため不安だという人も多いでしょう。相続税は基本的に相続した人が払うべきものです。しかし、相続税がかからないケースもあります。

 

今回の記事では、相続税とは何かなど基礎知識から、相続税がかからないケース、注意点や節税方法までまとめて詳しく解説していきます。相続税について疑問点がある人は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

 

相続税とは


相続税とは、相続した財産に課される税金のことです。両親が亡くなった時などに不動産やお金などの財産を受け継いだ(相続した)ときに発生します。

 

相続税は社会全体に広く貢献できるように利用していくことで、資産を再分配する、格差の固定化を防止するなどという目的があります。

 

2015年から相続税が課される人が倍増した理由


2015年から、相続税の基礎控除額が40%も引き下げられました。この後「相続にかかる税金「相続税」がかからないケース」で詳しく解説していきますが、相続税がかかるかどうかは基礎控除額によって決まります。

 

その基礎控除額が40%引き下げられたということは、相続税が課される最低ラインが引き下げになったということです。つまり今まで相続税が科されなかった範囲のケースであっても、2015年以降は相続税がかかるようになったということです。

 

相続にかかる税金「相続税」がかからないケース


相続税は、相続した人すべて、そして相続した財産全てにかかるわけではありません。遺産相続から基礎控除額を引いた金額によって、相続税がかかるかかからないか、またいくらになるのかが決まります。

 

【遺産相続の総額計算方法】

相続人の財産-葬儀費用など掛かった費用

 

遺産相続から基礎控除額を差し引いた金額が、3,600万円以下であれば申告も、相続税も必要ありません。

 

相続税基礎控除額の計算方法

相続税基礎控除額は、以下の式に当てはめて計算を行います。

 

【計算方法】

3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

 

相続にかかる税金「相続税」がかからないケース」でも解説した通り、「遺産相続から基礎控除額を差し引いた金額が、3,600万円以下であれば申告も、相続税も必要ありません。」というのは子の式に当てはめた時の最低金額が3,600万円だからです。

 

上記の式に当てはめて計算していくと、法定相続人が多ければ多いほど基礎控除額が大きくなることが分かるでしょう。基礎控除額が大きくなればなるほど、法定相続人が多ければ多いほど相続税が安くなる、もしくは課されない可能性が高くなるのです。

 

【法定相続人とは】

相続人の財産を相続できる権限があると民法で定められた人。遺言書に記されていれば法定相続人でなくても相続可能だが、遺言書が無い場合などは法定相続人同士で協議をして相続方法を決める必要がある。

 

例えば、法定相続人が1人だった場合と4人だった場合で基礎控除額の違いを比較してみましょう。

 

法定相続人1人…3,000万円+(600万円×1)=3,600万円
法定相続人4人3,000万円+(600万円×4)=5,400万円
法定相続人1人と4人では、基礎控除額5,400万円-3,600万円=1,800万円の差があります。そのため、法定相続人が多ければ多いほど基礎控除額が大きくなる=相続税がかかる可能性が低くなる・安くなるといえるのです。

 

  

相続 税金

相続にかかる税金「相続税」の注意点


つづいては、相続税の基礎控除額計算における注意点について解説します。

 

【基礎控除額計算の注意点】


相続権を失っていた場合に注意
・養子縁組の相続人数に注意
相続放棄に注意
・二次相続に注意

上記4つの注意点について、より詳しく見ていきましょう。

 

相続権を失っていた場合に注意


相続権が失っていた場合とは、被相続人の相続開始前に死亡等の理由で相続権を失い、相続権が別の人に移転しているケースです。被相続人より先に、子どもや孫、兄弟姉妹が死亡しているときにおこります。このように、相続権が別の人に移ることを「代襲相続」と言います。

 

【代襲相続の例】


・被相続人の子どもが被相続人より先に亡くなり、子どもから孫へ相続権が移転している


・被相続人の兄弟姉妹が被相続人より先に亡くなり、兄弟姉妹の子どもへ相続権が移転している

相続人の親が、被相続人の祖父母より先に亡くなっている場合は親から祖父母に相続権が移りますが、この場合は代襲相続とは言いません。

 

養子縁組の相続人数に注意


相続人が養子縁組を行っている場合は、人数カウントに注意が必要です。被相続人が養子縁組をしている場合は、養子も相続人としての権利を持ちます。そのため、法定相続人としてのカウントが可能です。しかし、被相続人の養子を相続人にカウントできる人数には上限が設けられています。

 

【養子の相続人カウントについて】


・被相続人に実子がおり、さらに養子もいる場合…法定相続人になる養子は1人まで


・被相続人に実子がおらず、養子がいる場合…法定相続人になる養子は2人まで

 

養子が法定相続人にカウントされるため、養子縁組が相続税対策に有効だと注目されることも多くあります。しかし、人数には上限があるということを覚えておきましょう。

 

相続放棄に注意


相続放棄をした場合でも、基礎控除額計算における法定相続人のカウントはそのままです。例えば、法定相続人が4人おり、そのうちの1人が相続放棄をした場合でも、基礎控除額の計算においては法定相続人「4人」として計算を行うことができます。

 

つまり、法定相続人のうちだれかが相続放棄をしたからといって、基礎控除額が減り相続税がふえてしまうということは無いのです。納税者にとってはメリットが大きいことなので、よく覚えておきましょう。

 

二次相続に注意


一次相続では相続税が課せられなかったとしても、二次相続では相続税が課されることがあるので注意しましょう。

 

【一次相続と二次相続とは】


・第一所有者がなくなり相続人が相続したケースを「一次相続


・一次相続した人が亡くなり第一所有者から相続した財産をさらに相続したケースを「二次相続


例:両親どちらかが亡くなりもう一方の親が相続したとき…一次相続


もう一方の親もなくなり子どもが相続したとき…二次相続

一次相続と二次相続では、基礎控除額が異なります。さらに、一次相続では活用で規定は配偶者の税額控除も使えません。そのため二次相続では、一次相続したときよりも基礎控除額が増え相続税が増える可能性が高くなるのです。一次相続では無税だったから、安かったから大丈夫だと安心せず、二次相続の際は再度相続税を確認してください。

 

相続にかかる税金「相続税」を節税する方法


最後は、相続税を節税する方法について解説していきます。税金の支払いは国民の義務ではありますが、なるべく節税したいと考えるのも当然でしょう。相続税には、さまざまな控除が活用できるためそれらをうまく使うことで節税につながります。

 

【節税方法】


・配偶者の税額控除を利用
・小規模宅地等の特例を利用
・未成年者控除を利用
・障害者控除を利用

上記4つの相続税の節税方法についてより詳しく見ていきましょう。

 

配偶者の税額控除を利用


相続人の配偶者であれば、下記に該当するとき相続税はかかりません。

 

【配偶者の税額控除適用条件】

・遺産相続1億6選万円以下である
・配偶者の法定相続分までの相続である

上記2つのうち、どちらかに該当すれば相続税はかかりません。簡単にまとめてしまえば、夫婦間で1億6千万円までの相続であれば相続税はかからないということです。

 

【配偶者法定相続分の割合】

  配偶者の割合 その他相続人の割合
配偶者+子どもが相続人の場合 2分の1 2分の1
配偶者+直系尊属が相続人の場合 3分の2 3分の1
配偶者+兄弟姉妹が相続人の場合 4分の3 4分の1

 

配偶者を除く相続人、子どもや直系尊属、兄弟姉妹が2人以上いる場合は原則としてその他相続人の割合から均等に分けます。しかし、全員の合意が得られれば平等でなくてもかまいません。

 

小規模宅地等の特例を利用


土地や家屋など不動産相続する場合は、不動産の評価額によって相続税が発生します。しかし、被相続人が事業用または自宅として利用していた宅地を配偶者もしくは同居していた親族が相続することで最大80%の減額が可能です。

 

【小規模宅地等の特例の減額割合】

 

利用区分 要件 面積上限 減額割合
相続人等の事業用に用いられていた宅地等 貸付事業以外の事業用宅地等 ①特定事業用宅地等に該当する宅地等 400平方メートル 80%
一定の法人に貸付たその法人の事業 ②特定同族会社事業用宅地等に該当する宅地等 400平方メートル 80%
③貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200平方メートル 50%
一定の法人に貸付たその法人の貸付事業用宅地等 ④貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200平方メートル 50%
相続人等の貸付事業用の宅地等 ⑤貸付事業用宅地等に該当する宅地等 200平方メートル 50%
相続人等の居住用に用いられていた宅地等 ⑥特定居住用宅地等に該当する宅地等 330平方メートル 80%

 

面積上限については、下記のいずれかに該当するかによって判定を行います。

 

【上限面積判定基準】

特例の適用を選択する宅地等 上限面積
特定事業用等宅地等(①または②)および特定居住用等宅地等(⑥)
(貸付事業用宅地等がない場合)
(①+②)≦400㎡
⑥≦330㎡
両方を選択する場合は、合計730㎡
貸付事業用宅地等(③、④または⑤)およびそれ以外の宅地等(①、②または⑥)
(貸付事業用宅地等がある場合)
(①+②)×200/400+⑥×200/330+(③+④+⑤)≦200㎡

 

適応対象となるのは基本的に、下記のような宅地等です。

 

【対象不動産


・特定事業用宅地等
・特定同族会社事業用宅地等
・特定居住用宅地等
・貸付事業用宅地等
・日本郵便株式会社に貸し付けられている一定の郵便局舎の敷地の用に供されている宅地等

 

それぞれ細かなルールが設けられているので、自分で活用するのが決めるのが難しい場合は不動産会社や税理士などプロに相談してみましょう。

 

未成年者控除を利用


相続する人が18歳以下の未成年のである場合は、相続税の一部が控除されます。

 

【未成年者控除の概要】

該当者 相続時点で日本国内に住所があること
※日本国内に住所がなくとも適応できるケースもあり
相続時点で18歳未満であること
・法定相続人であること
控除額の計算式

(18歳-相続した時の年齢)×10万円

 

例えば、相続した人が相続時に10歳であったとしましょう。その場合、(18-10)×10=80万円の控除が受けられることになるのです。ただし、令和4年3月31日以前の相続については「20歳」での計算となります。

 

障害者控除を利用


相続人に障害がある場合は、障害者控除を利用し相続税の減額が可能です。障害者控除は、相続税によって障害者の生活にかかる資金に負担がでないようにするために設けられています。

 

【障害者控除の概要】

該当者 相続時点で日本国内に住所があること
相続時点で障害者であること
・法定相続人であること
控除額の計算式 (85歳-相続開始日の相続人(障害者)の年齢)×10万円
※特別障害者の場合は×20万円

 

まとめ


今回の記事では相続税とは何かなど基礎知識から、相続税がかからないケース、注意点や節税方法までまとめて詳しく解説してきました。相続税は、遺産相続から基礎控除額を差し引いた金額が、3,600万円以下であれば申告も、相続税も必要ありません。基礎控除額は、法定相続人の人数によって大きく異なります。さまざまな控除もあるので、節税のためにあらゆる知識を活用していきましょう。

 

「株式会社シンシアリーホームズ」は、不動産売買に注力してきた不動産会社です。どのように不動産相続を行うのがベストなのか、どのような流れで進めていけばよいのかという相続問題についてもご相談承ることができます。相続財産の中に不動産があり、どのようにすべきなのか迷っているという人も、不動産売買をすすめたいという人も、まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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