不動産売却にかかる費用9選まとめ|費用を安く抑えるコツや相場などを紹介
不動産を売却することによって利益を得られることもありますが、多少なりとも売却費用は掛かります。不動産売却をするにも費用が掛かるとわかっていても、何に対して費用が撮られるのかを理解している人は少ないのではないでしょうか。また、できれば費用は安く抑えたいと考えるのも当然です。
そこで今回の記事では、不動産売却にかかる費用の種類や相場、そして安く抑えるコツまで詳しく解説していきます。
不動産売却にかかる費用と相場9選
不動産売却における費用相場は、売却価格の約4%~6%と言われています。不動産売却において後悔をなくすためにも、売却においてどんなものに費用が割かれているのかを知っておきましょう。大きく、不動産売却にかかる費用は下記9つです。
【不動産売却にかかる費用内訳と相場】
費用内訳 | 費用価格/相場 | 費用支払時期 |
仲介手数料 | (売却価格×3%+6万円)+ 消費税 | ① 売買契約時 ② 決済後 |
印紙税 | 1,000円~60,000円 | 売買契約書作成時 |
抵当権抹消費用 | 1,000円~50,000円 | 移転登記時 |
住宅ローン返済手数料 | 5,000円~30,000円 | ローン返済時 |
譲渡所得税 | 【短期】所得税額=売却益×30.63% 【長期】所得税額=売却益×15.315% |
確定申告後 |
ハウスクリーニング費用 | 30,000円~100,000円 | 実施後 |
測量費用 | 500,000円~800,000円 | 測量実施後 |
解体費用 | 100万円~300万円 | 解体後 |
契約書類発行費用 | 1枚約300円 | 書類発行時 |
不動産売却時に上記全ての費用が掛かるわけではありませんが、上記にあげた9つの費用が発生する可能性があるということを覚えておくとよいでしょう。上記9つの費用について、より詳しく解説していきます。
仲介手数料
不動産売却を依頼した不動産会社に支払うべき費用が仲介手数料です。不動産売却において仲介手数料がかかるということはすでに知っている人も多いでしょう。
不動産売却は不動産会社を通して行うことが一般的です。不動産売却を依頼された不動産会社は、情報サイトに不動産情報を掲載したり、近隣にチラシを配布したり、物件内覧や営業などあらゆる売却活動を代わりに行ってくれます。売却活動により無事、不動産が売却できた成功報酬として支払うのが、仲介手数料です。不動産売却が完了した時にすべてを払うのではなく、売買契約時に半分、引き渡し後(不動産売却完了後)に残りの半分を支払うことが多くあります。
仲介手数料は不動産会社によって設定金額が違います。しかし、売主が損をしないために上限値は定められているのです。多くの不動産会社は下記の式で求められる最大値まで仲介手数料を設定していることでしょう。
【仲介手数料の最大値】
不動産売却価格 | 仲介手数料計算式 |
200万円以下 | (売却価格×5%)+消費税10% |
200万円以上400万円以下 | (売却価格×4%+2万円)+消費税10% |
400万円以上 | (売却価格×3%+6万円)+消費税10% |
基本的には、上記の式に当てはめて仲介手数料を算出します。しかし、2018年1月に宅建業法が一部改正されたことにより、400万円以下の仲介手数料は上限18万円と定められました。不動産売却価格が400万円以下にも関わらず仲介手数料18万円を超えるときは、売主の合意を得なければなりません。
また、不動産売却活動として行った出張費や特別な広告宣伝費などは仲介手数料とは別途請求されることがあります。仲介手数料の範囲内で不動産売却活動をどこまで行ってくれるのか、事前に確認しておくことも忘れないでください。
不動産売却が完了する前に手数料を支払うケースもある
仲介手数料は基本的に成功報酬となるため、不動産売却の契約完了、そして引き渡し完了した際に支払うことが一般的です。しかし、下記のような場合は不動産売却が完了していなくても手数料を支払うことになります。
【完了前に仲介手数料を払うケース】
概要 | |
手付解除 |
・不動産売買の契約を終えてから売主もしくは買主の都合で契約解除をする場合。 ・売主側の場合…手付金の返還と、手付金同額を買主に支払い ・買主側の場合…手付金の破棄 上記を相手に支払う+不動産会社に仲介手数料を支払う必要がある。 |
違約解除 |
・売買契約を売主もしくは買主が厳守せず契約解除をする場合。 ・違約した側にされた側が損害賠償請求を行い履行されなければ契約解除となる。 ・不動産会社への仲介手数料支払いは必要。 |
合意解除 |
・売主と買主が合意したうえで不動産売買契約を解除する場合。 ・違約金等の支払いは双方自由に決めることができるが、不動産会社への仲介手数料支払いは必要。 |
上記3つに共通しているのは、「不動産会社には売買契約の解除をする落ち度がないこと」です。つまり、契約成立後に不動産会社の非が無く売主もしくは買主の都合で契約解除となった場合は、不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
しかし、買主の住宅ローンが通らなかったなどや無負えない理由がある場合は仲介手数料の支払い義務はありません。契約の白紙解除や無効に該当するにも関わらず仲介手数料を請求された場合は、支払いをせず専門機関にすぐ相談をしましょう。
印紙税
不動産売却など、経済的取引関連における契約書や領収書などには、税金が発生します。不動産売却においては契約書を交わす際に「収入印紙」を貼り付けることで、納税をおこないます。
【不動産売却における印紙税額】
契約金額 | 印紙税額 |
1万円未満 | 非課税 |
10万円以下 | 200円 |
10万円以上50万円以下 | 400円 |
50万円以上100万円以下 | 1,000円 |
100万円以上500万円以下 | 2,000円 |
500万円以上1千万円以下 | 10,000円 |
1千万円以上5千万円以下 | 20,000円 |
5千万円以上1億円以下 | 60,000円 |
1億円以上5億円以下 | 100,000円 |
5億円以上10億円以下 | 200,000円 |
10億円以上50億円以下 | 400,000円 |
50億円以上 | 600,000円 |
契約金額の記載なし | 200円 |
印紙税は、契約書1通につき課税されるため、保管分など複数契約書を用意する場合はその分印紙税もかかることを覚えておきましょう。契約書に貼る収入印紙は自分で用意しなければならないこともありますが、不動産会社が用意していることも多くあります。不動産会社が収入印紙を用意してくれる場合は事前に金額を聞き、契約当日に現金で不動産会社に支払いを行いましょう。
抵当権抹消費用
売却した不動産をローンで購入していた場合、抵当権を抹消するための費用もかかります。抵当権とは、不動産を金融機関が住宅ローンの担保として定められる権利のことです。担保として金融機関が定めている不動産に関しては、担保、つまり抵当権を抹消しなければ勝手に売却ができません。
抵当権は住宅ローンを完済することで抹消することが可能なので、決済が行われたあとに抹消作業を行います。抵当権の抹消後は登記情報の変更も必要で、これにかかる費用が抵当権抹消費用なのです。自分で行う場合は不動産1件あたり1,000円、司法書士に依頼する場合は5,000円~20,000円程度の費用が必要になります。
住宅ローン返済手数料
不動産売却をする物件に住宅ローンが残っている場合は、住宅ローンを返済するための手数料も費用として発生します。住宅ローンを一括返済するために、事務手数料を支払う必要があるのです。住宅ローン返済手数料は、借り入れをしている金融機関や返済方法(WEB・店舗窓口など)によっても異なるため、確認しておきましょう。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産売却によって得た利益「譲渡所得」にかかる税金のことです。譲渡所得にかかる税金である「所得税」と「住民税」を合計して「譲渡所得税」と呼びます。譲渡所得がなければ、つまり不動産売却によって利益が出なければ発生しません。
【譲渡所得の計算方法】
不動産売却の価格-取得費-譲渡費用
譲渡所得にかかる税率は、売却する不動産をどれだけ所有していたかによって異なります。
概要 | 税率 | |
短期譲渡所得 | 売却する不動産の所有期間が5年以下 |
合計39.63% (所得税 30.63%住民税9%) |
長期譲渡所得 | 売却する不動産の所有期間が5年以上 |
合計20.315% (所得税15.315%住民税5%) |
ハウスクリーニング費用
家の中をプロにより綺麗に掃除してもらうハウスクリーニング費用は、必ず掛かるわけではありません。買主が早く見つかるように綺麗にしておきたい、売却する不動産を少しでも綺麗な状態で買主に引き渡したいという場合は、ハウスクリーニング行う人も多くいます。
ハウスクリーニングの費用は売却する不動産(建物)の広さによっても異なりますが、空室の場合約18,000円~50,000円前後、居住中の場合は約~65,000円見ておくといいでしょう。居住中の不動産をハウスクリーニングするほうが家具家電など掃除の邪魔になるものも多いため金額は多少あがるはずです。
測量費用
土地の測量が必要な場合は、測量費用も掛かります。境界がハッキリしていない不動産の場合、どこまでが売却区域なのかを示すため、トラブル防止のために測量が求められることもあるでしょう。また、どこまでが売却不動産になるのか、売買価格を定めるために土地測量が必要になることもあります。
土地測量費用は約50万円~100万円と、決して安い金額ではありません。しかし土地の測量費用は、不動産会社に支払う仲介手数料や買主負担にはならず、すべて売主負担になるということを覚えておきましょう。
解体費用
売却する不動産の建物解体が必要な場合に解体費用が必要です。解体費用は解体する建物の大きさや造りによって異なります。木造の場合は約~600万円、鉄筋コンクリートの場合は約~700万円が相場です。
契約書類発行費用
不動産売却の契約書など、必要書類を発行するための費用も必要です。契約書とは別に、下記のような書類の提示を求められることがあります。
【必要書類の例】
・住民票
・境界確認書
・固定資産税評価書
など
手元にあれば発行費用は掛かりません。しかし手元にない場合は、市役所で1通300円前後で発行してもらう必要があります。
不動産売却における費用をおさえるコツ
不動産売却では、手数料やあらゆる費用がかかります。決して安い金額ではないため、費用が掛かりすぎて利益が出ないということもあるでしょう。そこで続いては、不動産売却における費用をおさえるコツをご紹介します。
【不動産売却における費用をおさえるコツ】
・特例を使い税率を軽減する
・専任媒介契約で仲介手数料を抑える
特例を使い税率を軽減する
居住用の不動産を売却する場合、一定の条件を満たせば控除を受けることができます。
【特別控除が受けられるケース】
控除 | 概要 | 条件 |
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例 | 居住用不動産を売却した譲渡所得が3,000万円以下であれば短期・長期所有問わず譲渡所得税がかからない |
・居住用の不動産であること ・配偶者や直結血族、同族会社への譲渡でないこと |
10年超所有軽減税率の特例 |
上記3,000万円の特別控除を適用しても所得がオーバーする場合、10年を超えて保有した不動産であれば軽減税率をうけられる (6,000万円以下の場合合計税率14.21%、6,000まん延越えの場合合計20.315%) |
・売却不動産の所有が10年を超えていること ・前年・前々年に10年超所有軽減税率の特例を受けていないこと |
損益通算の特例 | 居住用不動産の住み替えによる売却で損失が出た場合、確定申告をすれば損失分をほかの所得から差し引くことができる |
・居住用の不動産であること ・床面積が50平方メートル以上であること ・現在住んでいない不動産の場合は居住しなくなってから3年以内であること ・譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること ・売却した年の12月31日時点で、新たに購入したマイホームの住宅ローンが10年以上残っていること ・災害によって滅失した家屋で、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていること ・取得した年の翌年12月31日までの間に居住していた・居住する見込みであること ・売却翌年に確定申告をすること ・配偶者や直結血族、同族会社への譲渡でないこと |
専任媒介契約で仲介手数料を抑える
不動産会社の仲介手数料は、「仲介手数料」の項目で解説した通り、上限内であれば好きに設定することができます。一概には言えませんが、専任媒介契約や専属専任媒介契約のほうが仲介手数料を少し安くしますという不動産会社もあるのです。様々な不動産会社に依頼し、どこに利益が発生するかわからない状態よりも、自社にすべてを任せてくれる売主を優遇しようという配慮のひとつでしょう。
不動産会社の中には仲介手数料をうたっているところもありますが、そのほとんどが売主も買主も両方仲介を担当する「両手取引」であることがほとんどです。買主からも仲介手数料をもらうため、売主の仲介手数料を無料にすることができる仕組みになっています。両手仲介がお得に見えますが、売主の選択が狭まったり、売主買主どちらかに偏った契約になったりするリスクも0ではありません。
どちらが悪というわけではなく、どの場合でもメリット・デメリットは存在します。仲介手数料はもちろん、どれだけ親身になってくれるか、信頼できるかどうかも忘れずにチェックしておきましょう。
まとめ
回の記事では、不動産売却にかかる費用の種類や相場、そして安く抑えるコツまで詳しく解説してきました。不動産売却では利益が出ることもありますが、損失がでてしまったり、おもったより費用が掛かって利益があまりでなかったりすることもあるのです。
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